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コラム
- 管理栄養士が厳選
- 2025/09/21 15:00
【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリット
秋の風物詩としてファストフード各社から販売される「月見バーガー」。「卵」が欠かせないメニューですが、生卵ではなく人工的に作られた「加工卵」が使われている商品もあるんだとか。そこで、今回は管理栄養士の猪坂みなみ先生に「加工卵」について、くわしく解説してもらいました。
(写真ACより) 目次
・【加工卵】どのようなもの?
・【加工卵】栄養面からみたメリット&デメリット
・【加工卵】味や食感の違いや原材料表記は?
・【加工卵】「月見バーガー」の卵は本物?
・【加工卵】苦手意識をなくすコツは?
【加工卵】どのようなもの?
――「加工卵」とはどのようなものですか?
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 「加工卵」にはいくつか種類があります。
まずは、液卵や冷凍卵、乾燥卵といった加工度の低いもの。液卵は、生卵を割って殻を取り除き、殺菌して衛生的にパックしたものです。
製菓・製パン、社員食堂やホテルの朝食など、大量調理の現場で使われており、殻を割る手間を省きつつ、食中毒リスクを下げられるのがメリットです。
一方で、半熟風たまごや目玉焼き風オムレツといった加工度の高いものもあります。これらは一度割った卵の中身を殺菌したうえで、ゼラチンや糖質、油脂などを加えて「とろりとした半熟食感」を再現したもの。
ファストフードやお惣菜のように、調理から食べるまでに時間が空くことの多い食品で活躍します。生卵を半熟で提供すると衛生上のリスクが高くなるため、安全性と食感の両立を目的に開発されたのが特徴です。
【加工卵】栄養面からみたメリット&デメリット
――通常の卵と比較して、栄養面からみたメリット、デメリットを教えてください。
猪坂 液卵のような加工度の低いタイプは、栄養面では殻付きの生卵とほとんど変わりません。
一方で、半熟風たまごなど加工度の高いタイプは、前述の通り、作る過程でゼラチンや糖質、油脂などが加えられていることがあります。そのため、商品によっては脂質や糖質などが増えることがあります。また、卵に含まれる栄養素の中には「熱に弱いもの」もあります。特にビタミンB群や抗酸化成分の一部は、加熱処理によってやや減少する傾向があります。
ただし、これは家庭で卵を加熱調理した場合にも同じことがいえるので、「加工卵だから特別に栄養が大きく失われる」というわけではありません。
【加工卵】味・食感の違いや原材料表記は?
――味や食感における、生卵との見分け方を教えてください。また、原材料表記ではどう表記されていますか?
猪坂 生卵を割って焼いたものは、白身の広がりや焼き色に自然なバラつきが出て、黄身と白身の境目も少し不揃いになります。
一方で加工卵(特に加工度の高いもの)は、形がきれいに均一に整っていて、食感は少し「もっちり」「ぷるん」としているのが特徴です。
原材料表示では「卵加工品」「半熟風たまご」「目玉焼き風オムレツ」などと書かれていることが多いです。
【加工卵】「月見バーガー」の卵は本物?
マクドナルド 月見バーガー(画像:プレスリリースより) ――ファストフード各社で「月見バーガー(フォカッチャ)」が販売されていますが、生卵が使われている店と加工卵が使われている店を、それぞれ教えてください。
猪坂 マクドナルドでは、公式ホームページによると、店舗で卵を割り、一つひとつ焼き上げているそうです。
生卵をそのまま使う場合は、中心までしっかり加熱しないと食中毒のリスクがあるため、マクドナルドでは安全性を重視して完全に火を通しています。その分、半熟ではなく、固めの食感になります。
一方、ケンタッキーの「目玉焼き風オムレツ」、ロッテリアの「半熟風たまご」、モスバーガーの「鶏卵加工品」はいずれも加工卵です。
これは「半熟のとろりとした食感を楽しんでほしい」という狙いからだと思います。先ほどもお伝えしたように、飲食店で生卵を半熟のまま提供するのはリスクが高いため、生卵ではなく半熟風の食感が味わえる加工卵が使用されているのです。
――ファストフードのほかに、どんな食品で加工卵は使われていますか?
猪坂 各社の月見バーガーに入っているような“半熟風の加工卵”は、調理してから食べるまでに時間が空きやすい食品でよく使われます。
例えば、コンビニのお惣菜や持ち帰り可能な飲食店のメニューなどです。親子丼やカルボナーラなどのように「とろりとした卵を味わいたい料理」で使用されることが多いと思います。
【加工卵】苦手意識をなくすコツは?
――加工卵の食感や味が苦手という方もいます。苦手意識をなくすコツがあれば教えてください。
猪坂 味や食感に抵抗を感じるときは、卵だけで食べるよりもソースや具材と一緒に味わうのがおすすめです。
例えばカルボナーラなら卵を崩して全体に絡めたり、ハンバーガーなら他の具材と一緒に食べると、むしろ「半熟風のとろみ」がアクセントになって楽しめるかもしれません。
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