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コラム
- 老いゆく親とどう向き合う
- 2025/03/30 17:00
「警察です」高齢父がとうとう運転事故を? ドライブレコーダーに映った予想外の姿
(写真:写真AC) “「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける” ――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)
そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。
目次
・運転を続ける90代の父、いつか事故を起こすのではないか
・「警察です」事故の内容は予想と違った
・人を殺めるよりはずっとマシだ運転を続ける90代の父、いつか事故を起こすのではないか
菅原智香子さん(仮名・62)は、離れて暮らす両親のもとに頻繁に帰っていたが、病気がちな母親の通院や日常の買い物は90代の父親が担っていた。バスやタクシーを使うのは難しかったことから、クルマの運転を続けていたため、いつか事故を起こすのではないかと、毎日綱渡りのような気持ちだった。
(前編)
「90代の父が運転を続ける」やめさせたいけど“見て見ぬふり”していたそして、綱から落ちる日がやって来た。
菅原さんに電話がかかってきた。病院からの電話で、母親に何かあったかとドキドキしながら話を聞くと……。
その日は、父親が母親をかかりつけ医ではなく、検査のために総合病院に連れて行ったようだった。話の流れで、クルマを自分で運転してきたと医師に伝えたらしい。
「病院から、これほど高齢の親にクルマを運転させているのはどういうつもりか。何かあったらどうするのか、とひどく叱られてしまいました」
父親もおそらく同様に、こっぴどく叱られたに違いない。意気消沈しているだろうと思った菅原さんは、追い打ちをかけるような電話はかけられなかった。
それでもこれは、父親が免許を返納する絶好の機会だ。免許返納について、次に帰ったときにちゃんと話し合おうと思っているところに、二度目の電話がかかってきた。
「警察です」事故の内容は予想と違った
警察からだった。
「警察です」という言葉に、「今度こそ、とうとう父が事故を起こしてしまった」と頭が真っ白になった菅原さんだったが、電話の内容は予想とは少し違っていた。
父親は確かに事故を起こしていたが、クルマを運転していたわけではなかった。自転車に乗っていたのだ。
「重篤なので、すぐに病院に来てください」と言われ、駆けつけたときにはすでに父親の息はなかった。動転している母親に少しずつ話を聞くと、なぜ父親が自転車で事故を起こしたか、理由がわかった。
病院で、運転していることをひどく叱られた父親は、母親を連れていったん自宅に戻った。そして改めて、今度は自転車で出直したのだという。薬を取りにいって、ついでに買い物もしてくると言いおいて。父親は自転車には長いこと乗っていなかった。それでも、歩いたりバスに乗ったりするよりは楽だと思ったのだろう。
そして、車道の脇を通り、交差点付近で車列をすり抜けようとしたときにふらついて倒れてしまったようだ。警察が後続のクルマのドライブレコーダーを確認したところ、フラフラしながら走行し、クルマ側に転倒する父親の姿が映っていたのだという。
人を殺めるよりはずっとマシだ
医師に怒られて運転を諦め、それでも自分で何とかしようと、乗り慣れない自転車に乗って出かけた父親を思うと、胸が締め付けられる思いがした。
自分が近くにいて、通院に付き添ってやれていれば――後悔は大きかった。「お父さん、ごめんね」。謝りながらも、どこかでホッとしている自分もいた。
父親が事故を起こして、人を傷つけたり、死なせたりしたのでなくてよかった……。父親は死んでしまったけれど、人を殺めるよりはずっとマシだ。そう自分を納得させている。
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