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イオン「米国産100%のコメ」、業務スーパーと同じコメ!? 実食「カルローズ米」徹底レビュー

 昨年から継続している米不足問題。そんな中、イオンが6月6日から米国産100%の米を販売することになり、大きな関心を集めています。この米国産100%の米はカルローズ米というブランド米で、昨年からいくつかのスーパーで購入が可能。イオンの販売にさきがけて実食します。

イオン「米国産100%のコメ」、業務スーパーと同じコメ!? 実食「カルローズ米」徹底レビューの画像1
昨年7月時点における大型スーパーの米売り場(写真:スーパーマーケットファン)

目次

令和のコメ騒動〜イオンが「米国産100%コメ」発売
イオンが発売する米国産「カルローズ米」とは? 
カルローズ米、業務スーパーで5kg1825円で購入
【カルローズ】あきたこまち「白米」実食比較
【カルローズ】あきたこまち「塩むすび」実食比較
【カルローズ】あきたこまち「カレーライス」実食比較
味のついたおかずと食べるなら、あきたこまちと変わらない

※カルローズの購入と実食は2024年7月に行っています。

令和のコメ騒動〜イオンが「米国産100%コメ」発売

 日本人の主食として欠かすことのできない米。そんな米の品薄や値上げが続いていることが、2024年5月頃から盛んに報道されるようになりました。

 23年の猛暑の影響で不作になったことや、インバウンドが好調であったことで外食産業での需要が増加したこと、パンや麺類など、小麦が使われた製品に比べると、値上げ幅が小さい米を消費者が好んだことなどが、その理由として挙げられました。

 農林水産省によると、24年6月末時点で民間における米の在庫は156万トンと、前年度より20%減。これは記録を取り始めた1999年以降、最も少ない量であるそうです。

 8月に入ってからは24年に生産された(令和6年産)新米が流通し始めたものの、品薄である状況に変化は見られず、25年◎月には政府が備蓄米を放出。しかし、スーパーで販売しているを見たことがない、どこで備蓄米が買えるのか、と困惑する消費者がほとんどで、いまだ問題は解消していません。

 一方で、昨年から外国産米の流通が増加傾向にあります。その中でも代表的なブランドが米国・カリフォルニア産の「カルローズ」。イオンが25年6月6日から発売を開始するという「かろやか」がこのカルローズにあたり、都市部を中心に約600店で販売するといいます。

イオンが発売する米国産100%「カルローズ米」とは? 

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「カルローズ」5キロ5kgで1,825円(写真:スーパーマーケットファン)

 米国のカリフォルニア州で主に生産されている「カルローズ」は、「コシヒカリ」や「あきたこまち」より一回り大きい中粒種と呼ばれるタイプのジャポニカ米。

 米国の米産業界における中核団体が創設した組織であるUSAライス連合会のホームページによると、この「カルローズ」は“アメリカ国内の和食レストランをはじめ、アジア系住民に好んで食されている”ものであるそうです。

 その食味の良さから、国内の飲食店でも昨年から実際に提供する店や、カルローズをブレンドした米を販売する卸売業者も出てきたと報じられました。

 イオンは「かろやか」との商品名で4キロ2,894円(税込、以下同)で販売するとのことです。

カルローズ米、業務スーパーで5kg1,825円

 この「カルローズ」を手に入れるため、スーパーやドラッグストアを巡ってみましたが、筆者が住んでいる地域では唯一「業務スーパー」だけに取り扱いがありました(24年7月時点)。

 価格は5キロで1,825円。同チェーンで販売されていたほかの米では、「コシヒカリ」が2,154円、「あきたこまち」が2,257円となっており、それと比較すると1kgあたり60~80円ほど安くなっているようです。

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複数原料米と書かれていることから、買った商品はブレンド米? 産地は米国のカリフォルニア州が10割とのこと(写真:スーパーマーケットファン)
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パッケージにはおいしい炊き方の説明が書かれていました(写真:スーパーマーケットファン)
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チャーハンなどにとても合うとのこと(写真:スーパーマーケットファン)

 購入後、袋を開封して生米の状態で皿に盛って観察してみると、月並みながら「至って普通のお米だな」という感想を抱きました。

 比較するため、筆者の家で購入している「あきたこまち」を同じく生米の状態で並べてみると、確かに米の粒が少し大きいような印象。

 また、「あきたこまち」が生米の状態では少し黄色がかっているのに対して、「カルローズ」はそれよりも白に近い色味でした。

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左が「カルローズ」、右が「あきたこまち」(以下同様)の生米。「カルローズ」は少しだけ粒が大きめで、色が白くなっています(写真:スーパーマーケットファン)
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生米の状態の「カルローズ」(写真:スーパーマーケットファン)

【カルローズ】あきたこまち「白米」実食比較!

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左が「カルローズ」、右が「あきたこまち」(写真:スーパーマーケットファン)

 さっそく炊飯して、その味わいを確かめてみます。筆者の家には炊飯器が1つしかないため、「カルローズ」と「あきたこまち」両方の味をフェアに比較するべく、今回はフライパンを使用してそれぞれの米を2合ずつ炊飯。

 できるだけ条件も揃えたかったため、両者とも「カルローズ」のパッケージに書かれていた通りに洗米後に60分水に浸した後に炊飯することにしました。

カルローズ

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カルローズ(写真:スーパーマーケットファン)

 何もつけずに食べてみると、「カルローズ」はお米特有の甘さや香りなどの風味が薄めで、粒は立っているもののモチモチ感も同じく希薄。

 また、一般的なものよりも粒同士の粘着が弱く、口に含んで上顎で潰すだけでサラッと塊がほぐれていくような感じがありました。

 とはいえ、食べ比べをすれば違いはわかるものの、そうでなければまったく違和感なく食べられるクオリティが「カルローズ」にはあるように思えました。

あきたこまち

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あきたこまち(写真:スーパーマーケットファン)

「あきたこまち」はまさに食べ慣れた味で、お米の風味やモチモチとした食感などが、多くの人が想像する通りのお米の味わいです。

【カルローズ】あきたこまちと「塩むすび」実食比較!

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「カルローズ」、「あきたこまち」の塩にぎり。強めに握ったためか、表面の米がかなり平坦になってしまいました(写真:スーパーマーケットファン)
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カルローズ(写真:スーパーマーケットファン)
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あきたこまち(写真:スーパーマーケットファン)

 続いて、シンプルにお米のおいしさを味わえる塩にぎりにして両者を比較。筆者がついつい力を入れて握りすぎたせいなのか、この比較ではそのまま食べるよりも食感の部分で大きな差が生まれました。

 「カルローズ」はやはり風味が薄めなものの、かなりしっかりめに握ったにもかかわらず、口の中ではほろほろと粒が離れていくような感じがあり、一方で「あきたこまち」はよりモチモチの食感が強調される形に。

 塩オンリーというこの食べ方では風味の良い「あきたこまち」に軍配が上がりますが、これが具入りのおにぎりであれば、「カルローズ」の独特な食感は筆者としてはかなりツボであるため、評価が逆転する可能性もあるでしょう。

【カルローズ】あきたこまちと「カレーライス」実食比較!

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カルローズとあきたこまちのカレーライス(写真:スーパーマーケットファン)
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カルローズのカレーライス(写真:スーパーマーケットファン)
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あきたこまちのカレーライス(写真:スーパーマーケットファン)

 最後は、「カルローズ」のパッケージに書かれていたオススメ料理の一つであるカレー。

 今回は家に備蓄してあった「トップバリュ」の「ビーフカレー中辛」を使用しました。さすがにここまで強い味付け、かつ粘性のあるルーと合わせると、両者の違いはほぼわからず。

 もしかすると、スープカレーのようなサラッとしたルーのものであれば、「カルローズ」の粒離れの良さが際立つかもしれませんが、少なくとも一般的なカレーであれば、どちらも変わらずおいしく食べられると言えそうです。

【カルローズ】味のついたおかずと食べるなら、あきたこまちと変わらない

 以上、「カルローズ」の味を「あきたこまち」と比較してみました。

 シンプルに米本来の味わいを追求するような食べ方では、筆者の舌では「あきたこまち」のほうがおいしく思えましたが、しっかりと味のついたおかずと食べるなどのシーンでは、ほぼ変わらないおいしさが味わえるのではないか、というのが率直な感想です。

 また、ホロホロとした粒離れの良さを活かすような食べ方(パッケージのオススメ料理で言えばチャーハンなど)であれば、国産米に勝るとも劣らないポテンシャルを発揮できるようにも思えました。

 リーズナブルにお米を味わいたいという方にとっては、十分選択肢の一つに入るクオリティがあると思いますので、ぜひ一度「カルローズ」を試してみてください。

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  • 阿左美賢治(ライター)
  • 阿左美賢治(ライター)

    食品スーパー「ヤオコー」を愛する埼玉在住グルメライター。中学3年生で体重100kgを超え、全盛期の30代前半には200kgを超えた業界最大級の巨漢でもある。コンビニやチェーン店のグルメにも詳しい。趣味はスイーツ作り。

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