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スーパー
- 2025/02/26 08:00
【値段のないスーパーマーケット】「高くて手が出ない」の声も! 牛乳320円、納豆175円は高い?
値段のないスーパーマーケット会場(写真:スーパーマーケットファン) 2月20日〜23日まで期間限定でオープンしていた「値段のないスーパーマーケット」。いったい、どんなスーパーなのか? 実際に買い物をしてきました!
目次
・【値段のないスーパーマーケット】とは?
・【値段のないスーパーマーケット】商品は?
・30円台でも買える豆腐、一方で「豆腐店の4割が赤字」
・牛乳320円、納豆175円は「高い」?
【値段のないスーパーマーケット】とは?
スーパーのチラシ(写真:スーパーマーケットファン) 東京駅にほど近い商業施設「KITTE丸の内」の1階にオープンした「値段のないスーパーマーケット」。4日間限定の開店で、一番の特徴は商品に「値段がない」こと。お客さんは自分の意思で価格をつけて購入することができます。
このスーパー、実は「みんなにとって『フェアな値段』を考えよう」との副題がついています。昨今の原材料費、人件費、エネルギーコストなどの高騰に加え、円安の進行により、あらゆるものが値上がりしていることを受け、作る人の負担は重くなるばかり。スーパーの商品を今まで通りの値段で販売するのも難しくなりつつあります。
では、作る人・売る人・買う人、みんなにとって「フェア」な値段とは……? 「値段のないスーパーマーケット」では、商品とともにそれを“作る人”の背景を伝え、買う人にフェアな価格を考えてもらう内容になっているんです。
購入方法(写真:スーパーマーケット) 【値段のないスーパーマーケット】商品は?
商品は5点のみ(写真:スーパーマーケットファン) 値段のないスーパーマーケットでは5点を販売。いずれも、普段は道の駅などで販売されている商品になります。
・にんじん
・玉ねぎ
・牛乳
・豆腐
・納豆筆者が実際に買い物に利用した最終日は、牛乳と豆腐が売り切れになっていました。
【値段のないスーパーマーケット】30円台でも買える豆腐、一方で「豆腐店の4割が赤字」
値段のないスーパーマーケットに入店すると、多くの人でにぎわっています。
店内には納豆、にんじん、玉ねぎがズラリ! 来店者は思い思いの商品をかごに入れていきますが、普通のスーパーと違うのは壁に貼られたパネルの数々です。
納豆コーナー(写真:スーパーマーケットファン) にんじんコーナー(写真:スーパーマーケットファン) たとえば、「納豆の価格はコスト増に対して十分に反映されていない」「納豆製造業者は10年で約3分の2に」などと、現在の厳しい状況がデータで説明されています。
納豆はどこのドラッグストアが安い、あのスーパーは高い、なんてことは知っている筆者ですが、製造者側にそんな背景があるなんて、想像したこともありませんでした……。
納豆をめぐる状況(写真:スーパーマーケットファン) 牛乳をめぐっても、ショックな現状を知らされます。「酪農家の約6割は赤字経営」で、「酪農家は15年で半分に」。「乳牛の餌は3年で約1.4倍に」高騰しているとのこと。
筆者はいつも200円以下で購入し、それ以上だと「もっと安く売ってる店があるのになぁ」と敬遠してしまうのですが、もしかしたら「高い」と感じている価格のほうが適正なのかもしれない、とモヤモヤしてきます。
牛乳をめぐる状況(写真:スーパーマーケットファン) さらに衝撃なのは豆腐。
スーパーがこぞってプライベートブランドから豆腐を出し、安いところは30円台で購入できますが、それと表裏一体で「2年連続で豆腐店の4割が赤字に」「豆腐事業者が10年で約半数に」という現実も……。
もしかしたら、ひどく搾取した価格で購入しているのかもしれないと胸がチクリと痛みます。
豆腐をめぐる状況(写真:スーパーマーケットファン) 豆腐をめぐる状況(写真:スーパーマーケットファン) 野菜はJAの直売所で購入している筆者。中でも、にんじんと玉ねぎは豊富な数量と安定した価格から優秀な野菜と思っていましたが、実際はそうともいえないようです。
農業従事者は2000年と比べて半数以下に減少し、野菜を育てる肥料の価格も高騰。今のような価格で今後も購入できる保証はどこにもないのかも……。
野菜をめぐる状況(写真:スーパーマーケットファン) 【値段のないスーパーマーケット】牛乳320円、納豆175円は高い?
レジでは、いよいよ自分で値付け。
筆者は牛乳を230円、豆腐130円、納豆130円、玉ねぎ(2個)180円、にんじん(500g)150円にします。どれもスーパーで目にする価格ですが、筆者的に「高いなあ」とためらうラインにしてみました!
会計画面(写真:スーパーマーケットファン) これで購入は完了。レシートを見ると、筆者のつけた価格は「低め」だとか。その比較対象として、道の駅で通常販売される以下の価格が記載されています。
・牛乳:320円
・豆腐:154円
・納豆:175円にんじんと玉ねぎは、総務省「小売物価統計調査(動向編)」主要品目の東京都区部小売価格(2022〜2024年)の平均値として以下が書かれています。
・にんじん:232円
・玉ねぎ:155円自分の相場感に混乱が生じる(写真:スーパーマーケットファン) こうした価格を突きつけられて、戸惑う人も少なくなかったのでしょう。「そもそも自分の置かれた環境がフェアじゃないから、フェアだなんて言ってられない。納得したところで高くて手が出ない」と愚痴るような会話や、面白おかしく「ぼったくりじゃん!」という声も聞こえてきます。
来店者の価値観を揺さぶった「値段のないスーパーマーケット」。安く買い物することは生活の知恵や楽しみでもありますが、商品の向こう側にはどんな現実があるのか? 普段の買い物でも意識していきたいですね。
自由に値付けされた価格の一部(写真:スーパーマーケットファン) -
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